検索結果の削除請求をする際に鍵になる「忘れられる権利」とは?

検索結果の削除請求をする際に鍵になる「忘れられる権利」とは?

インターネットはデバイスがあれば、いつでもどこでも誰でもアクセスできる情報網です。大変便利な一方で、一度書き込み・投稿・アップロードされた情報やファイルはなかなか全てのサーバーから消し去ることが難しくなります。

便利とはいっても、情報は自分にとって有益なものばかりとは限りません。中には自分の悪口・誹謗中傷を書かれたり、自分が営業しているお店の悪評・虚偽を流されたりすることもあります。

ネット上の誹謗中傷は検索サイトで自分の名や店名、地名で検索すれば、簡単に見つけることができます。反対に、掲示板やウェブサイトがネットワーク上に存在していたとしても、検索結果にさえ表示されなければ、ほとんどの人には見つけられないでしょう。そのため、誹謗中傷された人の中には、書き込みそのものよりも、検索結果の情報の方が削除して欲しいという人もいます。

そんな中、近年人には忘れられる権利があるとしてグーグル(Google)などの検索サイトに対して、検索結果からのウェブページ削除を請求する係争が増えています。

この忘れられる権利というものはヨーロッパで最初に認められた新しい人権です。忘れられる権利を認めることで、ウェブページなどの「削除請求権」を一般の人に認めることになります。

それに対し、告訴されたウェブサイト運営会社は「忘れられる権利は多くの人の表現の自由や知る権利を侵害する」と主張します。

しかし、そもそもこの知る権利は果たしてどこで規定されているものなのでしょうか?

表現の自由であれば、以下のように日本国憲法第21条に規定されています。

第1項 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第2項 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

しかし、知る権利といった文言は憲法中に明記がありません。では、なぜ知る権利が認められているかというと、表現の自由は送り手だけでなく、受け手にも認められるべきだとする解釈から来ています。

そういった解釈によると、この21条では国家に邪魔されることなく情報収集をする権利・情報公開請求権・アクセス権といった権利を国民に認めることになります。

日本ではまだ誹謗中傷に関するウェブページの削除請求は忘れられる権利ではなく、プライバシーの侵害や名誉毀損として訴えられる場合がほとんどです。

しかし、インターネットの情報は完全に削除することが難しいことを考えると、この先このような誹謗中傷のあるコンテンツの削除請求は増えていくでしょう。今後、日本でも忘れられる権利が認められるのか、別の法律ができるのかは注目に値すると言えます。